レッスン風景101(卒業)
12月23日、今日は7年前から通っている、40代の男子生徒さんの、ギター教室卒業の日だった。
『卒業』、というよりも、県外に単身赴任になったので、辞めなくてはいけなくなった、というのが、正しい言い方だろう。
週末はちょくちょく大分に帰ってくるらしいけど、まだ学生の子供たちがいるので、パパとして家族サービス、というか、いろんなところに連れて行ってやらないといけないだろうので、当分は、ギター教室に通うのは難しいだろう、とのことだ。
彼は7年間のうち、ちょうど1年間は、子供さんの受験勉強を教えるのに休んだ。
彼は頭がいいので、無料の最高の家庭教師となれただろう。
まあ、音楽の方では、私の方が頭は良いのだけれどね、、、
一般の学問と音楽とでは、ちょっと分野というか、勝手が違うようだ。
彼には6年間、アドリブや作曲、アレンジ、カッティング、ギターの弾き方全般、MACでDIGITAL PERFORMERの使い方、等を、教えた。
中でもアドリブは、さまざまなスケールを使い、広範に教えた。
スケールだけ教えてもダメなんで、そのスケールを使った、いろんな私なりのフレーズを教えた。
彼の口癖で、
「先生、よくそんなにフレーズを覚えていますねえ、、、。また、新しいフレーズが、ポンポン出てきますねえ、、、」
「まあね、、、」
私はいつも笑った。
そして彼もよく私のフレーズを覚えて、使いこなしていった。
ゆえに、アドリブが私のフレーズを、ふんだんに盛り込むもんで、
「〇〇くん、俺の、『クローン』、になったみたいだねえ?」
なんて冗談を言って、笑い合った。
最初の頃より、かなり上手くなったが、ただ、まだまだピッキングが強すぎるのと、最近エレキも始めて、チョーキングの音程が悪いのと、リズムがカタいところがある。
そう、音楽技術には、『完成』、というものがない。のんびりでいいから、ギターを弾いていってほしい。
さて、転勤があるのが、サラリーマンの常みたいで、また、習える状況に戻れば、来たいと彼は言っていた。
「とりあえずの最後なので、、、」
、と彼はワインと、お菓子をくれた。
「ありがとね。お正月にでもいただきます。
長い間、お疲れさまでした。」