ある日の思い出 4「クロちゃんとの対話 4」
前にも言ったけど、中判田の家に住んでた時、隣の家に、可愛い、柴犬系の雑種犬の、『クロちゃん』、が、住んでいた。
その仔は、とても人懐っこくて、隣のおじさんとこに、やってきた時、放し飼いにしてて、私の足の間を、くねくねとジグザグに、まとわりついきて、『これから、よろしくね』、と、言っていたように思う。
ところで私は、基本的に、『犬派』、だが、『猫』、にも好かれることが多い。
猫を飼ってる、音楽仲間の家に行った時にも、その猫が私のとこに、常に、『クネクネー、スリスリー』、と、擦り寄ってくるのだ、、、。
彼が、
「なんで、アキラさんのところだけに、行くんだー、俺のところには、全然、来ないくせに」
、、と怒っていた。
うん、まあ、それもそのはず、、彼には、人間の私からみても、トゲトゲしい、『オーラ』、が出ていたからだ、、、
まあ、それにしても、クロちゃんの才能は、すごかった
テレビで言うところの、『技』、は、すべて出来た
例えば、餌をやるときの、『よし』、を待ってる、『待て』、の状態で、
フェイントの、
「よし?、こちゃーん』
、うん、一瞬ビクッとするが、止まる、
「よし?、ながさゆりー」
うん、止まる
そのあと、私が、延々、『よし?、〇〇ー』、と、遊んでも、彼は、注意深く、自制した。
最後に、私が、「よし」、と言い切った時だけ、エサを食べた。
それから彼は、私の家の土間に、後ろ足一本だけ残し、ヌーっと家の中まで入りそうに、体を伸ばし、エサを求めてきた。
それは、
『まだ、体全部は、あなたの家には、侵入してはいませんよね?、そうでしょ?」
、という、彼なりの、紳士的な行為、もしくは、哲学なのだった。
うん、すばらしい
彼は、偶然か、必然(彼の努力)なのか、首輪が外れると、いつも真っ先に、私の家に駆けつけてくるのだった。