ギター女子とのトーク 33 「良かったね!」
彼女は今年の1月に入った、かわいい女子高生だ。
最初、いとこにもらったというジャンボギターだったが、彼女には大きすぎだった。
しかも彼女は左利きなんで、とりあえず、弦を逆に張って弾いていた。
厳密にはナットやブリッジ、ハイポジションのカッタウェイの形状の問題などもあり、左利き用のギターを買うべきだ。
彼女のお母さんが、『ギターが続きそうなら、その時は買ってあげる。』、という話だったが、つい先週買ってもらった。
「〇〇ちゃん、ブログに載せたいから写真撮らせてね? 顔が写らないように頭のてっぺんの方から撮りますね。」
「はーい。」
最初に髪の毛だけしか見えないアングルで撮って、早速MACに取り込み、彼女に見せて、
「〇〇ちゃん、これどう?」
「先生、さ、貞子になってますうー。」
「あはは! ほんとやね? 今度は動画で角度を変えながら、いいポジションでスクリーンショットを撮ろうね?」
「あっ! 先生、ここがいいですう。」
「エッ 〇〇ちゃん、ここは顔が見えすぎだよ~。 もう少し進めて、ここはどう?」
「あっ!そこでいいですうー。」
私が神経質にアングルにこだわって迷ってるのをみて、彼女はクスクス笑っていた。
この写真を撮り、決定するのに結局10分もかかってしまった。
彼女が買ってもらったのは、YAMAHA のAPX700II L という左利き用のギターだ。6万円ちょっとだったそうだ。 左利き用はこの機種の場合、右利き用よりも定価が8000円割り増しになっている。左利き用は需要が少ないのでそれは仕方ない。
以前、APX700の初期バージョンを別の女子高生の生徒さんが持っていたが、それもそんなに悪くはなかったが、APX700II はアンプに通した時の音がよりバランス良く、低域も出だして音質が向上してるように感じる。
「〇〇ちゃん、いいの買ってもらったやん! どうね?」
「うん、うれしい!」
彼女はあどけなく微笑んだ。