ギター男子とのトーク 138 「先生、音、良かったです。」
今日は習い始めて、今月でちょうど2年になる男子大学生の日だった。
彼もまた、女子大学生と同じく、来る曜日・時間帯が毎回変わる、『不定時』、の予約にしている。
今日は、彼の大学の軽音楽部のコンサート前なので、日本が誇る、電子楽器製造のトップメーカー、『ROLAND、』のエフェクター、『GX-100』の音作りの続きをすることになった。
『GX-100』はタッチパネルになっていて、音作りがしやすいが、それでも初心者が良い音を作るには、難しいだろう。
私が、『GX-100』のソフトウェアを入れて、MAC上で作ってあげている。
いずれは、『音作り』、の仕方も、教えてあげたいが、お互い、なかなかそこにレッスンの時間を割く余裕がない。
つい3日前くらいにも、ワンレッスンで、3曲分の音作りをしたが、時間が足りず、彼は今月はもう4回来ているので、追加料金を払って、5回目のレッスンをすることになった。
前回のレッスンで作った音色を大学のバンドで使用してみたらしい。
「◯◯くん、どうだった?」
「先生、音、良かったです。、最初、マーシャルのアンプでやったら、ちょっと違うな?、て感じだったけど、違うメーカーのアンプに変えたら、ばっちりいい音で鳴りましたー。」
「そうなんだよねー。そのメーカーは初耳だけど、エフェクターの音とかって、使うアンプでも、結構違いがはっきり出るんだよねー。
マーシャルもロック系の人が好んで使う、優秀なアンプだろうけど、俺は苦手なんだよねー。ROLANDのJAZZ CHORUSだと、比較的PAに近いんで、扱いやすくて好きなんだけどね。」
それから、残りのリードギターの音を作ってあげて、40分くらい時間が余ったんで、彼が今回演奏する曲の、リードギター部分を、その出来立ての音色で弾いてもらうレッスンをした。
彼は、私からみると、眠るような速さのパーセージが、あたふたして、追いついていない。
「◯◯くん、大丈夫かあ??」
「えへへ、先生、本番までなんとかなりますよ。」
彼は、鋼の心臓を持っているのか?、いい加減な性格なのか?、うん、まあ、そういうところも社会人になったら、案外、役に立つ場面があるかもね?
とはいえ、また、彼は、ほんの数日後の予約を入れた。