今日の出来事 265「最強の彼女、現る!」
1月8日、朝、起きて少し遠くまで、散歩していると、多くの人で、ごった返している広場に出た。
するとその人ごみの中から、一人の美少女、といっても年齢は24、5歳くらいの女性が、私の方に近寄って来た。
その顔は、『黒島結菜』ちゃん、と、『畑芽育』ちゃん、を混ぜ合わせたような、いや、ちょっと違うか?、『浅倉唯』ちゃんのほうが近いか?、、、まあとにかく、超キュートな、この世で一番綺麗な、完成された美を持った、私好みの顔だった。
体型も平均的な日本人くらいで、太っても痩せてもなくスタイルも良く、服も派手でも地味でもなく、清楚な感じだった。
彼女は黒っぽい膝丈のスカートに、水色っぽいシャツ、その上に、黒と白、青、ピンクの、なんか着物に書いてありそうな模様の入った、ベスト?、さらに紺色の厚く硬めの生地のジャケットを、羽織っていた。そう、外は少し寒いからだ。
こう書くと、なんだかOLっぽいファッションに聴こえるかもしれないが、私の表現が下手なだけで、彼女のは、アニメの主人公に出て来そうな、カジュアルで、しかし、なかなか手に入らなそうな、おしゃれなものだった。
『うーん、どこかで会ったような、いや、初めて会うような、、、?、、ああ、思い出した。ずっと私が好きだった子だった。昔、彼女に、告白みたいなことは、したような、でもフラれたような?、はぐらかされたような、、、。』
彼女は私の2メートルくらい前まで来ると、立ち止まり、こう言った。
「ねえ、アキラ君、私のこと覚えてる?」
「うん、もちろん。久しぶり、、。」
実は正直、彼女の名前を、覚えていなかったのだった。
「ねえ、私、実はあの頃、アキラ君のことが好きだったのよ。でも、いろいろあって、あの頃は、、、。」
「ええ!?、そうなの?、てっきり、嫌われてたのかと思ってたよ。言ってくれれば良かったのに、、、」
「ううん、逆よ。好きだったの。そして、今も。偶然、再会して、この気持ち、再認識したわ!」
「そうなんだ。俺も同じ気持ちだよ!、、、ところでどこかに行くの?」
「うん、この近くに、テーマパークが出来て、女性誌に無料入場券が入ってたんで、行ってみようかと思って、、アキラ君も一緒に行く?」
「ああ、新聞の広告で見たやつだよね? 俺はちょっと用事があるから、あとですぐ追っかけるよ。」
「そう、じゃあ私、先に行っとくね。」
彼女は歩いて、あのかすかに天辺が見える山まで行くつもりだったが、やはりかなり遠いらしく、いったん引き返して、テーマパーク専用のバスに乗って行った。
私も用事を済ませ、なぜかテーマパークから帰って来た人たちがいる広場で、寒さ対策の服を、着重ねようとしていた。
すると、そのなかの50代くらいの、ガタイのいいおじさんが私に、
「おい、あんた、今からあそこに行くのかい?、、、なら、そんな装備じゃ登れねえぜ。命綱とピッケルとかを持っていかないと、あれを死なずに登り切るのは無理だぜ。俺は足の方、5メートル登っただけで、降りて来たぜ。」
聞くところによると、山にある巨大ドームの中の、数百メートルもある、巨大人形の、中で階段とかではなく、外側を素手とかで登っていく、アトラクションらしい。それ以外は何もないらしい、、。落ちたら、怪我や死ぬこともあるかもしれない!、、、なんというテーマパークなんだ!?
私は少し気になって、意識をあの山に飛ばすと、すぐ上空まで近づくことができた。
なんとその山の中腹以上は、巨大な灰色のドームになっていて、その天辺が、くるっと大きな丸い穴が空いていて、その穴から巨大な、ガンダム?(私はガンダムをよくは知らない)、みたいな青と白、黒、黄色の模様の、人形の目から上の頭の上の部分だけが、飛び出していた。まあ、とにかく巨大だ!
『ああ、これを登るのは、彼女には無理だ!、早く助けにいかなくては!」
と、意識が広場に戻ると、私はテーマパーク行きの、バス乗り場に来ていた。
チケットは買う必要はないが、乗るためにはお菓子を、500円以上、買わなければいけないと、改札のおばちゃんが、お菓子を見せた。
どれも、一つ、118円なので、500円以上となると、最低5つ、590円分買わないといけない。
な、なんと回りくどい設定なんだ!
しかも、大変な行列が出来てたので、バスが何往復して来ても、乗る順番が回ってこない。
何時間かして諦めかけた時、反対側の飛行場のゲートみたいな所から、大勢の人が帰って来たので、祈るような気持ちで彼女を探した。
「やっぱり、まだ乗ってないかあ?、あの子、大丈夫だったんだろうか?」
すると、最後の列の方に、くたくたになった様子の、彼女が歩いていた。
彼女の方に駆け寄ると、
「アキラ君、お腹が減ったー。どこか食べに連れてって!」
「うん、わかった。タルタルの美味しい店に、連れてってあげるよ!」
結局、彼女はその、ロボット型人形を1メートルも登れず、諦めたらしい。
帰りのバスに、人が多くてなかなか乗れずに、帰りが遅くなったらしい。
疲れて、テーマパークへの不満を言う彼女もまた、美しく、愛おしかった。
彼女の名前は、いまだに思い出せないけど、、、
ここで、私は夢から目覚めた。
1月8日の、遅い、『初夢』、だった。